夏になるにつれ大きくなります。小鮎の大きさと味の違い
琵琶湖の北端、海津大崎の透き通る水で悠々と泳ぎ育った小鮎です。
小鮎の体長は成魚でも10cmくらい。小さいから「小」鮎。「子」鮎ではありません。川鮎は藻をたらふく食べて育ちますが、琵琶湖の小鮎はプランクトンを餌とするため大きくならないのです。
小鮎は年魚といって一年しか生きられません。2〜3月、稚魚から成魚になったばかりの小鮎は、夏にむけて大きくなりながら味がしっかりしてきます。
琵琶湖の小鮎
猫もそっと小鮎を狙う…
5つの漁法と味の違い
琵琶湖には、小鮎の生態に合わせて、5つの漁法があります。そして、漁法によって味や特徴は変わります。
小糸漁 | 刺し網での漁。魚に網に引っかかっていた傷があり、背の色は少し茶色っぽい。サイズが均一。身は柔らかく、味は苦みが少ない。 |
えり漁 | 湖の仕掛けに魚を追い込む漁法。背は真っ黒で魚がシャキーン!としている。少し固めに綺麗に炊き上がるので、かっこ良い佃煮の進物ができる。 |
沖すくい網漁 | 見た目はえり漁に似ているが、佃煮にするとすごく脂が出る。 |
おいさで漁 | 竿の先につけたカラスの羽とタモで浅瀬にいる小鮎を追い込む。砂をはかせるために生簀で1〜2日おく間に苦みが増す。 |
やな漁 | 産卵のために川に遡上してきた小鮎を獲る漁法。砂をはかせるために生簀で1〜2日おく間に苦みが増す。 |
柔らかくあまり苦くない小鮎が欲しければ小糸漁を。綺麗に炊きたい時やほろ苦いのが好きな方はえり漁を。少しくらいほろ苦くてもよく、すぐ炊く人はすくい漁を選ぶと良いと思います。
いずれにしても、小鮎はデリケート。商品到着後はなるべく早く炊いてください。
極上の逸品、「小糸漁」の小鮎
前述のとおり、琵琶湖には小鮎の生態に合わせて5つの漁法があり、中村水産では
小糸漁を専門としています。
小糸漁の小鮎は、身がやわらかく苦みが少ないのが特徴です。
2〜3月、稚魚から成魚になったばかりの小鮎は琵琶湖の深いところにいて、まだ小さくて身がやわらかく苦味も少ない。天ぷらにすると、身がほろっとしていて実にうまいです。ただし、身がやわらかいので炊くときは煮崩れに注意が必要です。うまく炊くには、鍋のなかであまり動かさないことがコツです。
漁は、冬の寒さが厳しい1月から、禁漁になる直前の7月末まで続きます(禁漁期は8月21日〜11月20日)。
夜中に網をかけて、明け方には出荷の準備。朝日を浴びると、魚の温度が上がり鮮度が落ちるので、そうならないように時間との闘いです。
網にかかった小鮎を振り落とす。一匹ずつ丁寧に網から外すと時間がかかり、すべての魚の鮮度が落ちてしまう。素早さが大切。
漁師中村、自信ありの逸品です!!
これ以上の小鮎は無いと自信を持っております。
捕れたてピチピチをキンキンに冷やしてお届けします!!
力を合わせてこそできる、琵琶湖の伝統漁法「えり漁」の小鮎
海津漁協の「えり(小型定置網漁)」が2018年の台風で大きな被害を受けてしまいました。
それからも壊れたままで操業を続けてこられましたが、ついに2019年は操業が停止…。
漁協運営の為にどうしても稼働させたくて、2ヶ月かけて直すことにしました。そして2021年12月、ついに水揚げ再開!
えり漁では、厳寒の12月〜1月に氷魚(ひうお)が獲れます。釜揚げにすると最高です。
暖かくなるにつれて魚が大きくなるのは小糸漁と同じですが、小糸漁と比べて、えり漁で獲れた小鮎は身がしっかりしているのでカッコよく炊き上がります。ほろ苦がお好きな方にもオススメです。
えり修復作業の一日を動画にしてみました。よろしければご覧ください。
左:小糸漁で獲れた小鮎。背の色がうすくサイズが均一。
右:えり漁で獲れた小鮎。背の色が黒い。いろんなサイズの魚が入る。
小糸漁の小鮎でも、いつ獲るか、いつ冷やすか、冷やし方、冷やす温度、冷やす水の塩分でこんなに変わる。どちらも同じ日の朝に水揚げされたもの。こうしたことに日々気を遣いながら、商品をお届けしています。
おすすめの料理
・天ぷら ・南蛮漬け ・フリッター ・炭火焼 ・佃煮 など
小鮎のレシピ集(リンク)